富士山
急な傾斜と平坦な噴火口の富士山が雪に覆われている様子はまさに完璧なフォルムである。この日本の火山は何世紀もの間、神聖な山として崇め奉られてきた。富士山が日本の象徴的存在になったのは浮世絵師たちの功績でもある。この特徴的な山は数多くの浮世絵や版画の連作にも登場する。
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比率の遊び
浮世絵師たちは版画の中に様々な比率で富士山を配した。富士山は主題として扱われることもあれば、どこに描かれているのか探さないとわからないほど小さく背景に描かれるだけのこともある。
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どこにでも姿を現す富士山
富士山は日本の文化とアイデンティティにおいて非常に重要な存在で、時に思いもよらないような場所に姿を見せる。広重は実際にはあり得ないような場所に富士山を配置した。人物や室内を主題にした浮世絵の背景にも富士山は頻繁に見られる。