Utagawa Hiroshige
広重は北斎とともに19世紀日本の風景画を後世に伝えた代表的浮世絵師である。広重の作品もヨーロッパの芸術家たちの間で大好評だった。彼らは特に広重の独特な構図からインスピレーションを受けた。彼は画面手前に葦、鳥居、または木全体などを配して大胆に画面を断ち切り、奥行きを排した。
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東海道の旅
広重は生涯にわたり東海道の53の宿場町の連作を版画にし続けた。この街道は江戸と京都を結ぶ主要幹線道であった。東海道のテーマで何千もの図案を作成したにもかかわらず、偉大な浮世絵師広重のアイデアは尽きることなく多様を極める。風景そのもののみならず、季節や天候も変化に富んでいる。
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ファン・ゴッホのお気に入り?
ファン・ゴッホはおよそ50点もの広重の風景版画を所蔵していた。広重が彼のお気に入りの浮世絵師であったことは、彼が南フランスの風景を広重の目で見ていたことらわかる。さらに、彼は広重の2点の版画を油彩で模写している。広重の作品がまさにファン・ゴッホのインスピレーションの源であったことは、絵具のシミや画びょうの穴といったアトリエで利用された痕跡からも明らかであるる。